道徳科授業サポートBOOKS
考え、議論する道徳授業[中学校]アクティブ・モラル・ラーニングの授業づくり

道徳科授業サポートBOOKS考え、議論する道徳授業[中学校]アクティブ・モラル・ラーニングの授業づくり

好評3刷

インタビュー掲載中

シンプルでアクティブな「特別の教科道徳」の授業づくり!

登場人物の心情に共感させる授業から、子どもたち自身がその心持ちや行為について子ども自身の立場で語るための「考える道徳」「議論する道徳」の授業づくりが今、目指されている。本当に考えさせたい思考課題を設定し、子どもの深い学びをつくる授業についてまとめた。


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PDF
ISBN:
978-4-18-211027-6
ジャンル:
道徳
刊行:
3刷
対象:
中学校
仕様:
B5判 128頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2024年12月23日

もくじ

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 未来の道徳教育
1 道徳科と学校教育
2 在り方生き方の道徳授業
3 未来社会と道徳教育
第2章 「考える道徳」アクティブ・モラル・ラーニング
1 アクティブ・モラル・ラーニングの考え方
2 アクティブ・モラル・ラーニングの授業づくり
第3章 道徳教育の新たな方向性
1 カリキュラムと道徳教育
2 アクティブ・モラル・ラーニング実践に向けたマネジメント
3 道徳科で高めるコミュニティ教育力
―カリキュラム・マネジメントの視点を取り入れて―
第4章 アクティブに授業を創る ―実践編―
▼ アクティブ・モラル・ラーニング 指導案マニュアル
足袋の季節 [内容項目]D―22 よりよく生きる喜び
1 生活体験と関連させて考える
スイッチ [内容項目]A―1 自主,自律,自由と責任
2 理想や夢がもつ力について考える
栄冠は君に輝く [内容項目]A―4 希望と勇気,克己と強い意志
3 豊かな友情を育むために大切なことを考える
雨の日の届け物 [内容項目]B―8 友情,信頼
4 社会連帯について考える
バスと赤ちゃん [内容項目]C―12 社会参画,公共の精神
5 家族愛について考える
一冊のノート [内容項目]C―14 家族愛,家庭生活の充実
6 社会規範について考える
二通の手紙 [内容項目]C―10 遵法精神,公徳心
7 防災について考える
塩むすび [内容項目]B―6 思いやり,感謝
8 情報モラルについて考える
言葉の向こうに [内容項目]C―11 公正,公平,社会正義
9 感謝の心について考える
帰郷 [内容項目]B―6 思いやり,感謝
10 いじめについて考える
卒業文集最後の二行 [内容項目]C―11 公正,公平,社会正義
11 よりよい生き方を考える
いつわりのバイオリン [内容項目]D―22 よりよく生きる喜び
12 生命倫理について考える
ドナーカード [内容項目]D―19 生命の尊さ
資料 内容項目の指導の観点

はじめに

 本書は,従来からの道徳の特性を大切にしつつ,新たな視点によりシンプルかつアクティブに取り組むための道徳授業を提案するとともに,その考え方と実践例を紹介することを目的とします。また,これまで道徳授業に苦手意識をもってこられた教師,熱心に道徳授業に取り組んでこられた教師,すべての先生のための一冊です。

 近年の道徳授業は,登場人物の心情に焦点化した発問を中心とした指導過程による実践が主流でした。しかし,社会の変化に伴う子どもたちの発達の変化にもかかわらず,依然として登場人物の心情に自我関与(ある事柄を自分のもの,あるいは自分に関係があるものとして考えること)させることが難しい内容やシチュエーションの教材があったり,授業スタイルが形骸化している等多くの課題が指摘されています。そのため,リアリティのない観念的回答に終始するといった道徳授業を目にしたり,道徳授業を敬遠する現場の教師の悩みを耳にしたりします。そこで筆者は,共感型の発問だけでは子どもの思考の範疇が限定され,本来あるべき多様性が表出されにくいのではと考えるようになりました。

 昭和33年の特設「道徳」以降,教育現場での道徳授業の普及は,困難な茨の道を行くような状況でした。筆者の教師としてのスタートは道徳の研究校に指定された小学校でした。その後,中学校への転勤を命じられましたが,当時,中学校現場では,道徳授業を実践している同僚は誰一人としていませんでした。道徳は堅苦しいもの,道徳は生徒指導に代えられるもの,道徳は危険なものという考えやイデオロギーを背景に,道徳授業をしないことが当たり前のように黙認されていました。ところが,中学校では,社会や家庭環境の急激な変化にともない学校の荒廃が叫ばれ,教師達は子どもたちの変容に戸惑い試行錯誤する中,小学校でも学級崩壊や不登校,いじめといった問題が浮上しはじめました。そうして,「心の教育」や「道徳教育」の必要性が語られるようになったのです。その後,研究者や実践家によって様々な道徳授業の指導法が提案されるようになりました。今世紀に入ってからは,道徳の教科化論議がはじまり,ようやく道徳科設置が実現しました。ここにきて,道徳授業の歴史と普及の経緯を踏まえた上で,今後の道徳授業について改めて考えなければならない機会に私たちは遭遇しているということです。とはいえ,道徳授業の実践には,地域や学校間,教師間にまだまだ大きな隔たりがあります。

 本書は,人間の在り方・生き方を知り,その心持ちや行為について,子ども自身の立場で語るための「考える道徳」「議論する道徳」を提案します。道徳授業に熱心に取り組んできた教師にも苦手意識を抱えている教師にも,本書がこれから始まる道徳科とシンプルにアクティブに向き合うための心強いサポート役を果たすことができれば幸甚です。


   編著者 /白木 みどり

著者紹介

白木 みどり(しらき みどり)著書を検索»

金沢工業大学教授

文部科学省『中学校学習指導要領解説道徳編』平成20年 作成協力者

文部科学省『中学校キャリア教育の手引き』平成22年 作成協力者

文部科学省『中学校道徳 読み物資料集』平成24年 作成協力者

文部科学省 道徳教育の充実に関する懇談会 委員 平成25年

中央教育審議会専門委員初等中等教育分科会 平成27年12月〜

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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